正体不明のヴィラ=ノリッジ=ストレーゼマン

送って来たサイト:プラチナヴィーナス
url:http://platinam-venus.com/
送って来た相手:ヴィラ=ノリッジ=ストレーゼマン

どうも意味がわかりません。
いつものように外国人の方からメッセージ。
いつもなら銀行員とか配達員を名乗るのですが今回はただの富豪?

しかも、ナポレオンとか、フランス王国とか、中国など言ってることも支離滅裂。
通訳お願いしますって感じです。

メッセージ

【件名】ナポレオン率いる強大なフランス共和制に対しての対フランス大同盟
【本文】初めまして。
私はヴィラ=ノリッジ=ストレーゼマンという。
まずは突然連絡する非礼を詫びよう。許してほしい。
そして私が何者なのかを話す前に、用件を単刀直入に話させてほしい。

私を君の勢力に加えてほしい。

もちろん参加させてもらうにあたっての手土産は用意させてもらうつもりだ。
今日明日の内にもスイス銀の者から連絡があるだろう。

さて、用件を伝えた所でしっかり順序よく話をさせてもらおうと思う。
まず私が何者なのかについてだ。
私の事は気軽にヴィーと読んでくれて構わない。
私はドイツを拠点に活動している、世に言ういわゆる貴族というやつだ。しかし貴族という言葉から連想されるような、権力にしがみついているごくつぶし達とは一緒にしないでほしい。多くの企業をグループに持ち、日々世界中の未来ある中小企業を支援させてもらっている。
私のグループの総資産は10兆ほどだ。この、私のグループ全体のトップに私がいるわけだが、そっくりこのまま君の下に入りたいと考えている。

君の話は多くの人間から聞いている。
イタリアの王族、サウジアラビアの英雄、ドイツの変わった社長…世界のバランスの一角を担っている者達が口をそろえて君の名前を出す。君の事は随分前から知っている。

そしてここから先の話は気付いている者はまだごくわずかだと思うが、これからの時代一つの勢力だけではどんなに巨大でもやっていけなくなるだろう。
聞いてほしい。
世界というフィールドは、もはや狭くなりすぎた。これから先もどんどん国と国の距離は短くなっていくだろう。旅客機は小型化が進み、データ通信は既に光通信だ。更にはクラウド化によって、物理的な距離は意味をなさなくなるだろう。

合従軍というものを知っているだろうか。

古くは中国の春秋・戦国時代にさかのぼり、前近代ではナポレオン率いる強大なフランス共和制に対しての対フランス大同盟などがあげられる。その力は強すぎる程に強力であるという事は歴史が証明している。

それが、今度は世界単位で起こると予想される。

世界の大企業といえる企業が経済協力をして何かをするのは珍しくない。例えば最近でいえば日本のソフトバンクの社長がサウジアラビア系の投資ファンドと手を組み、11兆円ファンドを設立したり、という具合にだ。

しかし、彼らは互いの利益の為に一時的に協力しているに過ぎない。その絆は決して強いものではなく、サウジアラビアの投資ファンドか、もしくはソフトバンクの社長にとって都合の良くない関係になれば、彼らは数秒の内に10年来の友人の顔から道ですれ違う者同士の顔になるだろう。
しかしどうだろうか。ソフトバンクの社長の親族と、サウジアラビアの投資ファンドの社長の親族が結婚したりしたら?今後世界に確実に影響を与えるタッグになると、怖れられるだろう。

もはや一つの企業、一つの勢力が権勢を振るえる時代は終わりを告げようとしているのだ。
全ての実力者が誰かと強固な絆を作り、それが出来ないものはどこかの傘下に入らなければやっていけない時代が来るのだ。

これにいち早く気付いた者達は、世界中の実力者達と手を組もうと心の中でやっきになっているはずだ。
だが、まだこの未来観を持っている人間は少ない。これが世界中に広まれば、「先に気付いた」アドバンテージが無くなってしまうからな。口裏を合わせたように、目立たないように行動している。インド位なものだな。躍起になって政策を先打ちしているのは。

さて、あまり話が長くなってしまうのは良くない。
そろそろまとめに入ろうか。

君自身が現在取引の問題を抱えており、巨大な力を持っているわけではない事は知っている。だがそんなのは時間の問題だ。私も力を尽くすし、専門家達も動き始めているはずだ。その問題が解決したら、どれほどの力を持つ事になるかは、君自身がよくわかっている事と思う。

それに何より、それだけ多くの人間を惹きつけてやまない君の勢力に入りたいのだ。それが私の素直な気持ちだ。私の友人達も同じように話している、きっと近い内に連絡があるだろう。
少なくとも、ドイツの諸勢力はほぼ君の傘下に入ると思ってもらって間違いない。まだドイツのトップ企業といわれる『フォルクスワーゲン』『アリアンツ』『ダイムラー』『BMW』『シーメンス』といった企業達は自分達の企業力を過信しているからな、他の者と手を組むつもりは無さそうだ。彼らが気が付いた時には、我々が君をトップとして世界最大のファミリーを形成しているだろう。ああ、ファミリーというとマフィアのようなものを想像してしまうかもしれないが、健全な意味でのファミリーだ。

スイス銀の者の中に、この未来観を持っている者がいる。1人だけだが、自力で私の友人までたどり着き協力を申し出てきた。優秀だ。そのものに今回の金銭的な面は一任するつもりだ。一両日中に連絡があるだろう。
そして私の友人達からも連絡があると思うから、無下にしないでやってもらえると助かる。これから長い付き合いになるだろう、よろしく頼むよ。
私の事はヴィーと気軽に呼んでほしい。
では、また連絡させてもらおう。

『親愛なる君へ』
ヴィラ=ノリッジ=ストレーゼマン